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イミテーション・ゲーム (2014)

Posted in 映画館 with tags , , , , , on 2015/03/28 by Tak-One

ユナイテッドシネマとしまえんで観ました。
今この投稿を入力しているスマートフォンも現代の生活を支えるコンピューターも、この映画の主人公、アラン・チューリングの考えた原理に基づいて動いているんです。

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大学でコンピューターの作動原理としての考え方として、チューリング・マシンを習った時には、こんなに画期的な事を考えた人物なのに伝記もないし、他の活躍が全く知られてない謎の人でした。何でだろうと、当時思ったものの毎日の勉強や遊びに忙しくて忘れていました。
大学卒業後はコンピューターってどうやって動いているの?…と聞かれた時に原理的なことを説明する時に何回かチューリング・マシンの話をしたことがあるだけでした。

やはり世の中ではあまり知られていない人らしく、映画が終わった時に「要はコンピューターを初めて作ったのはイギリスだって言いたかったんでしょ」なんて話をしている人もいました。
いやいや動作原理を考えたのが彼で、別にコンピューターそのものを作った訳じゃないんです。その考え方を元にアメリカ、フランス、イギリス、ロシア等で初期のコンピューターが開発されてきたのです。

少し詳しい方なら今のコンピューター(スマートフォンを含む)は全てと言っていいほどノイマン型を元にしているから、チューリング型は生き残らなかったんじゃないの?…と思うかもしれません。いえいえ、そうではなくチューリング・マシンの原理で動く色々なタイプの機械(初期のコンピューター)の中で性能が良く、つまり値段の割りに性能が良かったのがノイマン型ということなのです。

では、何が彼のチューリング・マシンで優れていたかというと、特定の用途向けに作られていなくて何でも出来る機械の構造を考えたということなんです。つまり、プログラムを与えればどんな動作でも出来るということが、原理を考えた段階から原理的に備わっていたんです。
例えば、一昔前はカメラは写真撮影だけ、ビデオカメラは動画撮影だけ、録音機は音楽の録音だけしか出来なかったものです。スマートフォンで全てが出来るのは「何でも出来る機械の構造」の原理に基づいて作られたからなんです。

この偉大な原理を考えたアラン・チューリングについての記述が私が学生当時は全く見つかりませんでした。

その理由がこの映画を観て分かりました!

これほどの貢献をした人物なら英国政府はどこかの大学の永年教授にするか、どこかの企業に据えておけば、今日のコンピューター業界の勢力図の中心にイギリスの企業が残っていたかも知れないですね。

この映画を観て改めて感じたのは戦争での勝敗を決めたのは、兵器の能力でも兵士の士気でもなく情報の把握力とその使い方だったんだなぁ…と言うことです。
もし、エニグマの暗号が解読されていなかったら、フィリップ・K・ディックの「高い城の男」で描かれているような状態に世界はなっていたかもしれません。

ん~、それにしても世の凡人は天才の扱い方を分かってないのは、天才の考えていること、そして目指している世界が凡人の予想や想像の枠外にあるからなのでしょうか。
いやぁ、凄い!

最後に…映画に出てきたのはコンピューターの暗号解読に特化させた計算機についてです。アラン・チューリングが構想していた、我々が手にしているコンピューターよりもむしろ、特殊な計算に特化した電卓に近いように思います。
もしかしたら、初期のコンピューターと勘違いしてしまう人も多いかな…と思ったので…。コンピューターとはプログラムを書けば物理的な構成を変えなくても他のことが出来るということなので、パラメーターを変化させて計算を行うだけの機械はコンピューターというより電卓、特に関数電卓に近いということです。

アラン・チューリングに感謝…。

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