としまえんのユナイテッド・シネマで観ました。
ジョン・ウー監督のファンなら必見!
ファンでなくても、この映画を観て三国志のさわりだけでも理解するためにはとても良い映画です。
三国志を知っている人であれば誰しもが知っている赤壁の戦い前後の話です。
今回はパートⅠということで、まずは三国志の設定の説明から入ります。
とは言っても、桃園の誓いや三顧の礼などといった部分はスパッと省いてありますが、登場人物それぞれの関係は分かるようになっています。
う~ん、上手い!
ジョン・ウー監督といえば2丁拳銃での両手撃ち、という印象があるのですが、銃の無い時代の映画だから、どうかなぁ、と思ってました。
流石です。 ジョン・ウー監督のアクションになっています。 どんなアクションかというのは口で説明するよりも映画館で観てください、という感じです。
歯切れが良く、流れるようでいて、リズミカルなMI2などと同じ系統のアクションが剣を使って行われます。 ある種、日本の漫画的な動きというか演出という気もします。
日本のテレビ・映画界の人も才能はあると思うのですが、どうもこれまでの経緯や型にハマってしまっていて、どれも新鮮味が無いです。 こういうアクションって日本映画では期待出来ないものなのでしょうか。 殺陣師など専門職も居るのですから、もっともっとハラハラ&ドキドキするようなアクションシーンを演出して欲しいものです。
まぁ、三国志の人物設定自体が漫画的というか、超人のような人が出てくるので映像化しやすいというのはあるとは思いますが、読んでいるのとは違うビジュアルでの表現がとても上手です。
日本の映画だと、例えば日本書紀を見ても、活字を映像で追っているような感じでした。 監督が自分なりに文字から得られる情報を咀嚼しイメージをビジュアル化しているのとは違う印象を持っています。 残念ながら日本書紀を観ているときには、活字を追っているのとは違う、ドキドキ感にドーンと引き込まれるような感じはありませんでした。 日本の監督さんはまじめに文字をそのまま順番に映像にしようと思うようです。
日本書紀を観て、日本書紀を読んでみようと思う人はいないと思います。
何せ退屈ですから…。
でも、このレッドクリフはとても良い映画です。
映画を観て面白いから、三国志を読んでみようという気にさせる魅力を持っています。
まずは映画で「面白い!」とひきつけて、漫画や小説の三国志に…、というのもアリだと思いますし、とても良いことだと思います。
ジョン・ウー監督の手腕は凄いです。
あの長い話の流れをササッとかいつまんで、盛り上げ、ひとつの映画に纏め上げていて、しかも、145分の時間がアッという間に終わってしまうような、途中で流れが止まることのない上手い台本を作り上げています。
途中で印象的な白い鳩を使った演出といい、ジョン・ウー監督印があちこちにちりばめられています。
日本も合作になっているのですが、エンドクレジットを見ると、音楽の作曲及び中村 獅童氏の出演以外には、何も関わっていないようです。 香港や中国のスタジオ及びアメリカのスタジオで主たる作業は行われた様子でした。
(クレジットの全部を記憶出来ていないし、読んでもいないので大体の感覚ですが…。)
寂しいですが、これが現実です。
日本の映画業界には特撮でも編集でも音響でも、世界の一線のレベルの監督に選んでもらうということは無いようです。
後半、パートⅡは来年春の公開です。
出来れば、前後編の連続上映をする映画館が現れると嬉しいですね。
後半を観る前に、もう1回パートⅠを観たい気がします。
題名: レッドクリフ PartⅠ
監督: ジョン・ウー
音楽: 岩代 太郎
出演: トニー・レオン
出演: 金城 武
出演: 中村 獅童
制作: 2008米.中.日.台.韓/東宝東和=エイベックス・エンタテインメント
時間: 145分
(2008年公開時にとしまえんのユナイテッドシネマで視聴)