紛争地域の平和はなかなか簡単にはもたらされることは無い…ということを音楽を通じて表現してます。

ダニエル・バレンボイムという実在の指揮者がエドワード・サイードという米文学者と1999年に設立したウェスト=イースタン・ディバン管弦楽団をモデルとした映画です。
パレスチナとイスラエルは過去から現在に至る宗教的、そして争いによる犠牲者に対する思いなどで対立関係にあります。
その2つの地域の若者で構成されたオーケストラで演奏会を開催を企画した指揮者と実行時での出来事こ映画になっています。
クレッシェンド…音楽用語で徐々に大きく盛り上がるような演奏をする時に楽譜に書かれています。
平和への思いが徐々に心の中で盛り上がって欲しい…という思いなのでしょうか。
音楽を取り扱った映画なのに監督やフィルムの編集をした関係者に器楽演奏についての知識を持っている方はいなかったのでしょうか。
演奏の映像、指使いやブレス(息継ぎ)などと演奏しているはずの音楽が全く合ってません。
キチンとシンクロしているシーンもあります…バイオリンのソロのシーン、パーカションのスティックが映るシーン、ピアノを弾くシーンなどはちゃんと音楽と映像がシンクロしてました。
指揮者も指揮をしているようには見えなくて指揮をしているシーンでは巨匠というよりプロの指揮者には見えません。
これでは盛り上がる気分も盛り上がりません。
音楽を題材にした映画の場合は器楽演奏についても見る目のある人を制作陣に入れておいて欲しいです。
おそらくイスラエルとパレスチナの問題に若者たちと指揮者がどのように向き合うかということにフォーカスするあまり他のことにはあまり映画製作者は関心が薄かったのでしょう。
良い映画だけに残念です。

パレスチナとイスラエルの抱える問題は若者にどのような影響を与え若者たちがどのような状態に置かれているのか考えるには良い映画だと思います。